テリー・ギリアムと言えば、独特の世界観を濃密な映像で描く人。
自分としては「未来世紀ブラジル」が代表作として思い浮かぶが、それから20年以上たって映像技術もずいぶん発達している。
彼の映像の質量感が安易なCGで損なわれていやしないかと一抹の不安を抱いていたが、何とか踏ん張って彼らしいいやらしい世界が見事に繰り広げられている。
また、ヒース・レジャーの急死を逆手に取った設定はかえって映画に緊張感を加えているようにも思えた。
映画の登場人物は、キャラクターよりもその容姿、というか、はっきり言って顔だけですべてを語っているような個性派ぞろい。
それぞれのシーンは絵としてみているだけでも退屈しない。