すべての真実が語られるラストが秀逸。
共産党支配という政治に翻弄され続けた人たちを主人公にする一方で、ソビエト崩壊という歴史の裏の犠牲者である共産党の生き残りをきっちりフィーチャーしているのもお見事。
過去の敵同士が手を組みながらそれぞれ昔の栄光を再び求めている姿は滑稽に他ならないが、両者の側に夢破れた過去があるからだろうか、奇妙な協力関係を生んでいる。
そうした関係が何ともユーモラスに感じられ、ドラマにもちょっとした刺激を与えている。
歴史に翻弄された過去の悲劇がチャイコフスキー協奏曲のピークですべて明らかにするところはあまりにも感動的で言葉が出ない。
やはり音楽は偉大だ。