自動車修理工場で働く傍らスタントマンもこなす主人公には、犯罪者を逃すドライバーとしての顔も持っていた。
常に爪楊枝を口にくわえ、背中にさそりの刺繍の入ったスタジャンを着る主人公のスタイルは、時代の流れとは別のところにいる孤高感、孤独感を強烈に放っている。
LAの夜の町並み、カーチェイスですり抜ける複雑に入り組んだ迷路のような道路が魅力的に描かれている。
愛する女性のための仕事、はめられたヤマ、自分を拾ってくれた人への恩義...よくあるストーリーで目新しさがなかったのが残念だ。
映画の導入部が魅力的であったために、それに対応するの本編部分がミステリのようでミステリになりきれておらず、純愛というにはハードで、中途半端な感じがしてインパクトが薄い。
ラストの展開もハードボイルドと呼ぶには甘すぎるところがチトいただけなかった。