鉄条網に縛り付けられたかのように、もがけばもがくほど苦しめられ、それでもやはり救いはなく、永遠の苦しみが続くかのような錯覚をおこさせ、主人公たちの苦しみをこれでもかと突きつけられる。
凄惨で苦しく、冷徹な物語。
主人公たちの心が最後まで救われることなく物語が終わるところにやりきれなさも感じる。
一 再会:起
二 秘密:承
三 告白:転
四 抱擁:転
五 言葉:転結
四巻、五巻では展開めまぐるしく、ミステリーとしても卓越。
ただ、主人公たちの心情描写以外の部分、つまり物理的世界で起きている事だけを見るといささかドラマッチックすぎる気がする。