やはりこの映画のオリジナル、「インファナル・アフェア」を超えることは出来ていない。
オリジナルと違う面を出してくれればよかったのかもしれないが、そのような部分はほとんどなく、ストーリーもオリジナルに忠実。
なのに、本作では緊迫感が全く感じられない。
オリジナルでは、手に汗握る心理戦が見所の一つだったが、そういったハラハラドキドキが抜け落ちてしまっている。
ポイントとなる場面場面は、微妙に作りかえているが、いずれもオリジナルの方がいい。
改めてオリジナルのレベルの高さに気付かされる。
マーチン・スコセッシの手腕もその昔の作品の面影はほとんどなく、描写に深みがない。
また、オリジナルはまさしくノアールと呼べるような作品だったが、ディカプリオにはトニー・レオンのような深い哀愁は感じられなかったのが残念。
ネタ切れハリウッドの出来合い映画の感強し。
これをオスカーにノミネートするというのはちょっと違うんじゃないだろうか。